障害年金を受け取ることのデメリットに関するQ&A
障害年金を受け取ることのデメリットに関するQ&A
Q障害年金を受け取ることのデメリットはありますか?
A
1 基本的にデメリットはありません
障害年金は病気やケガで生活や仕事に支障が出てしまう人の最低限の生活を保障するために、国が定めた制度です。
人が最低限の生活を送る権利を有することは、憲法25条でも保障されています。
障害年金を受給することは正当な権利を行使することですので、障害年金を受給することで何らかの制限を受けるということはまずありません。
基本的にはデメリットは無いものと言えます。
ただ、障害年金を受給することで以下に挙げるような効果があり、人によっては、これらをデメリットと感じられるかもしれません。
しかし、総合的に見れば、障害年金を受給するメリットの方が大きいと考えます。
2 受給額によっては家族の扶養から外れる可能性があります
障害年金は公的給付ですので、非課税です。
ただし、障害年金の受給額が大きくなると家族の扶養から外れ、社会保険料を支払う必要が生じる場合があります。
障害年金の受給額が年間180万円未満の場合は、生計を維持する家族の被扶養者となることができます。
この場合は、被扶養者ですので、社会保険料を支払う義務は生じません。
しかし、受給額が180万円以上になると、家族の被扶養者から外れ、社会保険料の支払義務が生じます。
障害基礎年金は1級でも年間97万6,125円×改定率で、子の加算額を入れても180万円を超えるケースは少ないです。
しかし、障害厚生年金や障害共済年金では、年間受給額が180万円を超えるケースも考えられます。
ただ、社会保険料を支払うことになったとしても、180万円以上の障害年金を受給できるメリットの方が大きいと言えます。
3 配偶者が寡婦年金や死亡一時金を受け取れなくなる
寡婦年金とは、10年以上婚姻関係にあり、死亡当時に生計を維持されていた配偶者に対して、その配偶者が60~65歳までの間に支給される年金です。
その要件として、亡くなった配偶者が障害年金を受給していないことが定められています。
したがって、障害年金を受給している配偶者が亡くなった場合には、その相手方の配偶者は寡婦年金が受給できなくなります。
死亡一時金は、生計を同じくしていた家族に支給される公的給付ですが、同様に亡くなった人が障害年金を受給していないことが要件となっています。
障害年金を受給すると、亡くなったときに家族が死亡一時金を受け取れなくなります。
しかし、寡婦年金や死亡一時金の額よりも障害年金の金額の方が大きく、この点においても障害年金を受給することがデメリットになるとは言えません。
4 勤務先に知られる可能性は少ないです
障害年金を受給していることを会社(勤務先)に申告する義務はありません。
ですので、基本的に勤務先に知られることはありません。
しかし、同じ傷病で傷病手当金を受給するときにはその手続きの中で障害年金を受給していることが知られることになります。
しかし、知られたとしても特に何もデメリットはありません。