障害年金における初診日

文責:所長 弁護士・社会保険労務士 白方太郎

最終更新日:2025年04月07日

1 障害年金における初診日の重要性

 障害年金を申請する際、「初診日がいつか」という点は非常に重要です。

 初診日は、どの種類の障害年金を受給できるか、また、保険料の納付要件を満たしているかなどを判断する基準になります。

 例えば、初診日に国民年金に加入していた場合は「障害基礎年金」の対象となり、厚生年金に加入していた場合は「障害厚生年金」の対象となります。

 また、保険料を納めていたかどうかは、初診日の前日時点で、初診日が属する月の前々月までの納付状況が確認されます。

 さらに、障害の程度が障害年金の等級に該当するかどうかは、初診日から原則として1年6か月後の「障害認定日」における状態によって決まります。

 そのため、初診日を正しく把握することが、障害年金の受給可否を左右するといっても過言ではありません。

2 初診日とはどのような日か?

 初診日とは、原則として障害年金を申請する原因となった病気やケガで、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日を指します。

 現在診断されている病名と、最初に診察を受けたときの病名が同じ場合もありますが、異なる場合もあります。

 病名が異なっていても、最初に診療を受けた病気と現在の病気の間に相当因果関係が認められる場合は、最初に診療を受けた日が初診日とされます。

 相当因果関係とは、最初の病気やケガがなければ、現在の病気は発生しなかった、と考えられる関係のことです。

 例えば、糖尿病と糖尿病性網膜症・糖尿病性腎症・糖尿病性壊疽など、肝炎と肝硬変との間には、相当因果関係が認められることが多いです。

3 先天性の病気における初診日

 先天性の病気の場合でも、原則として本人が病気の症状を自覚し、医師や歯科医師の診察を受けた日が初診日となります。

 ただし、知的障害の場合のみ例外として、出生日が初診日とされます。これは、知的障害が生まれつきのものであり、発症のタイミングを特定できないためです。

4 初診日についてのご相談

 初診日は障害年金の受給において重要な要素ですが、病歴が長い場合や、医療機関が閉院している場合など、初診日の証明が難しいケースもあります。

 初診日について不明点やお困りのことがあれば、お気軽にご相談ください。

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