障害年金は一生もらえるのか

文責:所長 弁護士・社会保険労務士 白方太郎

最終更新日:2024年10月21日

1 障害年金は一生もらえるのか

 障害年金も老齢年金と同じ年金制度の一種です。

 65歳になれば以降はずっと年金をもらい続けられることからすれば、障害年金についても同様にずっともらえると考える方もいるかもしれません。

 実際のところはどうなっているのか、順番にご説明いたします。

2 多くは有期認定となっている

 障害年金の受給が認められた場合、年金証書が届きますが、たいていの場合、更新時期についても示されています。

 これは「有期認定」といって、1年から5年の範囲で障害年金の受給が認められ、時期が来たら更新という手続きをとらないと受給が停止してしまうということになります。

 厚生労働省が開示しているデータによれば、1年から3年の有期認定で全体の8割以上、5年までの有期認定まで加えると約94%が有期認定となっているようです。

 更新の手続きの結果によっては支給が停止することもあることからすると、一生障害年金がもらえるとは限らないといえます。

 参考リンク:厚生労働省・社会保障審議会年金事業管理部会資料(第51回)

 ※【資料3-1】障害年金の業務統計等について

3 更新は認められている場合が多い

 他方、同じ資料で更新の手続きの認定結果を見ると、約95%は更新前と同一の等級認定となっており、支給停止となるのは全体の1%前後にとどまるようです。

 そうすると、もちろん統計上のデータではありますが、一度受給が認められた後は、高確率で更新後も同一等級での受給が認められているため、更新がずっと認められ続ければ、結果的に一生障害年金をもらい続けられる結果となる可能性もありうるといえます。

4 永久認定

 統計上約6%程度認められている永久認定については、更新の手続きがありませんので、希望すれば一生の受給が認められることが考えられます。

 永久認定は、例えば四肢の切断や人工関節の装入置換等、基本的に症状の改善が見込まれないような傷病に関して認定されています。

5 老齢年金との関係

 通常65歳になると老齢年金の受給が開始されることになりますが、ここで「一人一年金の原則」というルールが問題となってきます。

 要するに、障害年金か老齢年金は基本的にどちらか一方の受給となるのが基本ということになります。

 ただ、65歳以降は、障害基礎年金+老齢厚生年金等という組み合わせでの受給は認められています。

 そうすると、65歳以降については、永久認定等の場合、障害基礎年金を選べば一生受給できるということになりますし、自身の選択で老齢年金のみを選択する場合には、自分の意思で障害年金の受給を止めることになります。

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