障害年金が受給できる年齢
1 障害年金の受給可能な年齢
障害年金の受給に関しては、ある程度年齢による調整等が入る場合があります。
どのような場合に影響を受けるのかについてご説明いたします。
2 障害年金申請の概要
障害年金は、申請する傷病に関して最初に病院に行った日を初診日とし、一部例外はありますが、初診日から1年6か月後を障害認定日としています。
そして、初診日が特定されていること、初診日前一定期間の保険料納付の要件を満たしていることを前提に、障害認定日時点の症状が、一定の水準以上の重さであると判断されると、障害年金を受給できることになります。
3 20歳前障害基礎年金
上記のとおり、障害年金も年金制度の一種であるため、通常は保険料の納付が要件とされています。
しかし、保険料の納付義務が課されるのは20歳になってからですので、20歳前の傷病、生まれつきの傷病などに関しては、保険料の納付がそもそも課されていません。
そのため、初診日が20歳より前の場合、通常は20歳前障害基礎年金の申請を行うことになります。
20歳前障害基礎年金については、初診日から1年6か月の時点か、20歳時点(誕生日の前日)、どちらか遅い方が障害認定日とされます。
10歳で初診でも15歳で初診でも20歳時点が障害認定日となりますが、19歳0か月の時点が初診日であれば、障害認定日は通常20歳6か月になる、という具合です。
中学卒業後すぐに厚生年金に加入して働いていた場合、というのが一応想定できますが、ごく例外になると考えられるため、基本的には20歳から受給できるようになる、と考えておいてよいかなと思います。
4 一人一年金の原則
上記2のとおり、障害年金も年金制度の一種です。
世間的に「年金」といえば、65歳から受給する老齢年金を思い浮かべる方の方が多いのではないかと思います。
一人一年金の原則、というのは、要するに、障害年金と老齢年金はどちらか一方しか受給できない、ということです。
そのため、原則的には、65歳までに請求する必要があるということになります。
もっとも、初診日が65歳以前であれば認定日請求のみ可能である、65歳以降も任意で国民年金に加入する場合には状況が変わってくる等、一部例外もあります。
また、65歳以前に障害年金の受給を受けている方の場合には、65歳以降は、老齢年金か障害年金のどちらかを選択して受給することになります。
そのため、既に障害年金の受給を受けている方に関しては、年齢による上限はない、ということができます。